インボイス制度開始後の振込手数料の対応について(売手が負担する場合)
売上代金の決済において、振込手数料は、契約で売手負担と定めた場合を除き、買手(振込側)が負担することとされています。
実際には、売り手が振込手数料を負担するケース(つまり、買い手が振込手数料を差し引いて振り込むケース)も少なくありません。
請求書に「買手負担」と明記してあっても「売手負担」で振込みを行ってくるケースが少なくないのが現状です。
売手が負担することとなる振込手数料相当額について、「支払手数料」として費用処理を行うことが一般的です。
インボイス制度開始前の区分記載請求書等保存方式では、税込み3万円未満の取引については、請求書等の保存がなくても帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められていました。
一方、インボイス制度においては3万円未満の取引について、区分記載請求書等保存方式のように「帳簿のみ保存」による仕入税額控除は原則として認められません。
売手が請求金額から差し引かれた振込手数料相当額に仕入税額控除を適用するには、3つの処理方法があります。(参考:国税庁インボイス制度に関するQ&A問29,30等)
一つ目は、振込手数料相当額を売上値引きとして処理する方法です。また、支払手数料としつつ、消費税法上、売上げに係る対価の返還等とすることもできます。
この他の方法として、「売手が買手から「代金決済上の役務提供(支払方法の指定に係る便宜)」を受けた対価とする場合」や「買手が売手のために金融機関に対して振込手数料を立替払したものとする場合」があります。
これらの方法は支払手数料として課税仕入れに計上できますが、買手から一定の協力を得ることが必要となり、事務負担も増えることが想定されます。
この点、売上げに係る対価の返還等としての処理をすれば事務負担を軽減することができます。
今回は売手負担の振込手数料に関する対応について簡単に紹介しました。売手負担の振込手数料について、インボイス制度による影響を確認し、今後どのように会計処理するかを検討しましょう。
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