TOP > ブログ > 経理財務アウトソーシング > 涙の期末監査:IFRS適用と決算修正の舞台裏

経理財務アウトソーシング

涙の期末監査:IFRS適用と決算修正の舞台裏
BLOG
ブログ
2024.07.10UP

涙の期末監査:IFRS適用と決算修正の舞台裏

期末監査というと、私にはどうしても忘れられない思い出があります。それは、とあるグループ子会社での初めての期末監査のことでした。

その日、先生から「特別損益は今時めったに使うべきではない。営業外損益に振り替えてください」と指導を受けました。まるで鳩に豆鉄砲です。だって、既に決算は全て締まり、連結報告も完了していたのですから。

連結決算は、数十社が全てゴールインしてからまとめ上げられる、厳密なスケジュールで進行します。末端の子会社がゴールを切った後に「やっぱり変える~」なんて気軽にはいきません。システムも既に締まっており、計算書類・報告書上の組み替えで対応させてほしいと嘆願しましたが、先生は首を縦に振りませんでした。

「システム上で直すべきです。システムは締めても必ず開けられるはずなので、システム会社に連絡してください」とおっしゃるのです。どう頑張っても折れてくれませんでした。

ここからが怒涛の連絡祭りの始まりです。グループの財務経理を統括する会社のシステム担当に相談し、実際の作業を行うシステム会社へ申請書を提出。連結決算作業チームに謝罪し、「すみません!数字が動きます!」と半泣きで伝えました。後日、申し訳なさすぎて次の会議には謝罪の菓子折りを持参しました。

先生が特別損益から営業外損益への振替にこだわったのは、IFRS(国際財務報告基準)の影響が大きかったのでしょう。IFRSでは特別損益の記載が禁止されています。国際基準に準じていくのがトレンドであり、その頃はIFRSの任意適用が始まったばかりでした。先生は、親会社グループ全体の連結決算も正しくあるようにと考えていたのでしょう。意識が高く、熱心な先生でした。

新規事業の計上方法を決めるときも「グロスではなくネットであるべき」など、常にIFRS準拠が強く意識されていました。グループでも、遠くないうちにIFRS適用が来ると皆がじりじりしていました。

時に、IFRSの損益計算書は自由度が高くて非常に面白いと感じます。ステークホルダーにどう見せるか、各社の創意工夫がそこにあります。経営分析や資金調達において、財務諸表は活用されてこそ価値があるのだと改めて思い知らされます。

財務諸表はゴールではなくスタートラインです。業務過多や人手不足など様々な理由で、スタートラインがゴールラインになっていませんか?私は、作ることから手を放して経営分析に注力したい方々のお手伝いをしたいと考えています。

市川 Team

Adoption

採用情報

あなたの
“本当の力”が
発揮できる会社

経理・財務アウトソーシング支援とIPO支援で
一緒にクライアント様の企業成長を加速させましょう!

私たちは、”やり切る”ことを至上命題として、経理財務アウトソーシングに取り組んでいます。ご契約をいただいているクライアント様からは「“40%以上の工数削減”といった業務改善を実現し、今後も継続してお任せしたい」という嬉しい声をいただいています。様々な会計システムや、会計処理に携わることで、より深い経理財務の経験を積むことができます。さらに、IPO支援でスキルの幅を広げていくことも可能です。未経験者や新卒者でも早期戦力として活躍できる環境を用意しています。

COLUMN

コラム

CONTACT

お問い合わせ

#1 PHONE

電話で相談する

土日祝休み9:30〜18:00
その場で疑問を解決!些細なことも丁寧にお答えします。
資料もご用意しておりますので
ご入用の方はお申し付けください。
#2 MAIL

メールで相談する

2営業日ほどお時間いただく場合がございます