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損金とは?法人税計算に影響する損金算入・不算入のすべてをわかりやすく解説!

損金

法人税の計算において、損金は非常に重要な概念です。

損金算入と損金不算入を正しく理解することは、法人税を節税するためには欠かせません。

しかし、損金に関する規則は複雑で、理解するのが難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。

そこで、本記事では、損金とは何か、費用・経費との違い、損金算入・不算入のルール、そして損金算入・不算入のポイントについて、わかりやすく解説します。

目次

損金とは?費用・経費との違い

損金とは何か、費用や経費とは何と違うのか、詳しく解説します。

損金の定義

損金とは、法人税法上、所得の計算上、益金から控除できる経費のことを指します。

具体的には、事業を行うために支出した費用や、資産の減少の原因となった損失などが損金となります。

費用・経費との違い

損金は、会計上の費用・経費とは異なる概念です。

会計上の費用・経費は、企業活動において発生したすべての支出を指しますが、損金として認められるのは、その支出が一定の条件を満たしている場合のみです。

損金の重要性

損金は、法人税計算において重要な役割を果たします。

損金を正しく算入することで、課税対象となる所得を減らすことができ、結果的に法人税を節税することができます。

具体例
・売上1億円、経費9,000万円の場合、課税対象となる所得は1,000万円となります。
・しかし、経費のうち1,000万円が損金算入できない場合、課税対象となる所得は2,000万円となり、法人税負担が大幅に増加します。

ポイント
・損金を適切に処理することは、法人にとって大きなメリットとなります。
・損金算入に関するルールを正しく理解し、節税対策を検討することが重要です。

損金算入・不算入のルール

損金算入・不算入のルールを正しく理解し、適切に処理することで、法人税を節税することができます。詳しく見ていきましょう。

損金算入の原則

損金算入には、以下の4つの原則があります。

1. 必要かつ合理的な支出であること

事業を行うために必要かつ合理的な支出であることが必要です。具体的には、以下の要件を満たす必要があります。
事業目的と関連していること
支出金額が適正であること
支出の根拠が明確であること


・商品の仕入代金は、事業目的と関連しているため、損金算入できます。
・役員の接待費は、事業目的と関連しているかどうかが判断基準となります。
・個人生活費は、事業目的と関連していないため、損金算入できません。

2. 事業に関連する支出であること

事業に直接関連する支出であることが必要です。具体的には、以下の要件を満たす必要があります。

事業の収入を得るために直接必要な支出であること
事業の資産の価値を維持するために必要な支出であること


・事務所の家賃は、事業の収入を得るために必要な支出であるため、損金算入できます。
・工場設備の修理費は、事業の資産の価値を維持するために必要な支出であるため、損金算入できます。
・政治献金は、事業に直接関連していないため、損金算入できません。

3. 支出金額が適正であること

実際の支出金額と一致していることが必要です。具体的には、以下の要件を満たす必要があります。

支出金額が妥当な範囲内であること
支出金額を裏付ける証憑書類が存在すること


・領収書や請求書などの証憑書類に基づいて支出金額を計上する必要があります。
・架空の支出金額を計上することはできません。

4. 証憑書類が存在すること

支出金額を裏付ける証憑書類が存在することが必要です。具体的には、以下の書類が必要となります。

領収書
請求書
契約書
支払明細書


・証憑書類がない場合、損金算入が認められない可能性があります。
・証憑書類は、5年間保存することが義務付けられています。

損金算入できない項目

上記4つの原則を満たしていても、以下の項目は損金算入できません。

役員賞与
交際費
寄付金
損害賠償金
違法行為に関連する支出
不明金
架空経費
重複計上された経費
個人生活費
政治献金


・役員賞与は、役員の職務遂行に対する報酬として支払われるため、損金算入できません。
・交際費は、社交上、顧客との親睦を深めるために支出した費用であるため、原則として損金算入できません。
・寄付金は、社会貢献活動の一環として寄付した金銭であるため、原則として損金算入できません。

損金算入時期

損金算入時期には、発生主義経過主義の2つの方法があります。

発生主義
支出が発生した時点で損金に算入する方式です。一般的に、発生主義が採用されています。


1月1日に支払期限を迎える商品を、12月28日に購入した場合、損金算入時期は12月となります。

経過主義
支出が確定した時点で損金に算入する方式です。


1月1日に支払期限を迎える商品を、12月28日に購入した場合、損金算入時期は1月となります。

ポイント
・損金算入時期は、会計方針で定める必要があります。
・発生主義と経過主義のどちらを採用するかは、企業の状況によって異なります。

損金算入・不算入のポイント

損金算入・不算入のルールは複雑で、理解するのが難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。

損金算入・不算入に関するトラブルを回避し、法人税を節税するための4つのポイントをご紹介します。

明確な証拠書類の保存

損金算入するためには、支出金額を裏付ける証拠書類を保存しておくことが重要です。

領収書、請求書、契約書など、支出内容が明確に分かる書類を保存しておきましょう。

ポイント
・証憑書類がない場合、損金算入が認められない可能性があります。
・証憑書類は、5年間保存することが義務付けられています。
・電子保存も可能ですが、一定の要件を満たす必要があります。

交際費の適正性の確保

交際費は、損金算入が認められる場合と認められない場合があるため、適正性を確保することが重要です。

交際費の内容、金額、相手先などを記録しておきましょう。

ポイント
・交際費は、事業に関連するものでなければなりません。
・交際費の金額は、売上高などに比例した範囲内である必要があります。
・交際費の内容を記録した「交際費明細書」を作成しておきましょう。

寄付金の要件の確認

寄付金は、一定の要件を満たす場合のみ損金算入することができます。

寄付金の要件について、事前に確認しておきましょう。

ポイント
・寄付金は、公益法人等に寄付したものでなければなりません。
・寄付金の金額は、一定の限度額を超えない範囲内である必要があります。
・寄付金の領収書等を保存しておきましょう。

税務調査への対応

税務調査では、損金算入に関する事項が重点的に調査されます。

事前にしっかりと準備しておくことが重要です。

ポイント
・証憑書類を整理しておきましょう。
・交際費明細書等の資料を作成しておきましょう。
・税務調査に立会える担当者を決め、事前に打ち合わせをしておきましょう。

それぞれ確認していきましょう。

まとめ

本記事では、損金とは何か、費用・経費との違い、損金算入・不算入のルール、そして損金算入・不算入のポイントについて解説しました。

損金算入・不算入の判断は、個々の事案によって異なります。

具体的な判断については、税理士や専門家に相談することをおすすめします。

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