愛車を購入する際、新車と中古車のどちらを選ぶかは悩ましいものです。
近年では、中古車市場の充実や、新車よりも値下がりが早いというメリットから、中古車を選ぶ人も増えています。
しかし、中古車を選ぶ場合には、新車とは異なる税制上の注意点があります。
その中でも特に重要なのが、減価償却費です。
本記事では、車の減価償却とは何か、新車と中古車の減価償却費の計算方法や違い、減価償却における注意点などをわかりやすく解説します。
車選びの参考にしていただき、愛車をよりお得に購入・維持していただければ幸いです。
車の減価償却とは?
減価償却とは、時間の経過や使用によって価値が下がる資産に対して行われる会計処理です。
具体的には、購入時に支払った金額を、耐用年数と呼ばれる期間にわたって費用として計上していく仕組みです。
車が減価償却資産に該当する理由は、時間の経過や走行距離によって価値が下がるからです。
例えば、新車を購入した場合、購入当初は高い価値を持ちますが、年数が経過したり走行距離が伸びたりするにつれて、その価値は徐々に下がっていきます。
減価償却を行うことで、以下の効果が得られます。
・損益計算書の経費として計上できる
・所得税や法人税の節税効果が期待できる
・資産の価値減少を正確に把握できる
減価償却費の計算方法
車の減価償却費は、新車と中古車によって計算方法が異なります。
新車の場合は法定耐用年数が定められているため、減価償却費の総額は同じになります。
一方、中古車の場合は経過年数によって法定耐用年数が決まるため、取得価額が安い中古車の方が、減価償却費の総額が大きくなる可能性が高いです。
車を購入する際には、新車と中古車の減価償却費の違いを理解した上で、自分に合った車を選ぶことが重要です。
詳しく見ていきましょう。
新車の減価償却費
新車の減価償却費は、以下の式で計算できます。
減価償却費 = (取得価額 – 残存価値) / 耐用年数
例
取得価額が300万円、耐用年数が6年、残存価値が50万円の場合、減価償却費は以下の通り計算されます。
減価償却費 = (300万円 – 50万円) / 6年 = 41.67万円/年
ポイント
・新車の耐用年数は、法令で定められています。一般的には、6年です。
・残存価値は、新車価額の10%程度が目安です。
・減価償却費は、毎年同じ金額を計上します。
中古車の減価償却費
中古車の減価償却費は、以下の式で計算できます。
減価償却費 = (取得価額 – 残存価値) / 経過年数 + (耐用年数 – 経過年数) / 耐用年数
例
取得価額が200万円、経過年数が2年、耐用年数が6年、残存価値が30万円の場合、減価償却費は以下の通り計算されます。
減価償却費 = (200万円 – 30万円) / 2年 + (6年 – 2年) / 6年 = 83.33万円/年
ポイント
・中古車の耐用年数は、経過年数によって決まります。
・残存価値は、車種や状態によって異なります。
・減価償却費は、経過年数が増えるにつれて減少します。
新車と中古車の減価償却の違い
新車と中古車の減価償却の違いについて詳しく見ていきましょう。
耐用年数
新車と中古車の減価償却費における最も大きな違いは、耐用年数です。
新車の場合、耐用年数は税法で定められており、一般的には6年です。
これは、軽自動車を除く普通自動車の場合です。軽自動車の場合は、4年となります。
一方、中古車の場合、耐用年数は経過年数によって決まります。具体的には、以下の表の通りです。
| 経過年数 | 耐用年数 |
| 46ヶ月未満 | 6年 |
| 46ヶ月以上54ヶ月未満 | 5年 |
| 54ヶ月以上62ヶ月未満 | 4年 |
| 62ヶ月以上70ヶ月未満 | 3年 |
| 70ヶ月以上78ヶ月未満 | 2年 |
| 78ヶ月以上 | 1年 |
このように、中古車の場合は経過年数が長くなるほど耐用年数が短くなります。
例
新車を購入した場合、耐用年数は6年です。一方、4年経過した中古車を購入した場合、耐用年数は2年となります。
残存価値
残存価値とは、耐用年数満了時に予想される車の価値です。
新車の場合、残存価値は新車価額の10%程度が目安です。
これは、新車が使用開始から5年経過しても、その価値の90%程度を維持すると考えられているためです。
一方、中古車の場合、残存価値は車種や状態によって異なります。一般的には、経過年数が長くなるほど残存価値は低くなります。
例
新車で購入した車の残存価値は、300万円の10%である30万円となります。一方、4年経過した中古車を購入した場合、残存価値は150万円程度となる可能性があります。
減価償却費の総額
減価償却費の総額は、取得価額、耐用年数、残存価値によって決まります。
新車の場合、耐用年数が6年であるため、減価償却費の総額は取得価額と残存価値の差額となります。
例
取得価額が300万円、残存価値が30万円の場合、減価償却費の総額は270万円となります。
一方、中古車の場合、耐用年数が経過年数によって決まるため、減価償却費の総額は一概には言えません。しかし、一般的には、取得価額が安い中古車の方が、減価償却費の総額が大きくなる可能性が高いです。
例
取得価額が200万円、経過年数が2年、耐用年数が6年、残存価値が30万円の場合、減価償却費の総額は240万円となります。
このように、新車と中古車の減価償却費は、耐用年数、残存価値、減価償却費の総額において以下のような違いがあります。
| 項目 | 新車 | 中古車 |
| 耐用年数 | 法定耐用年数 (一般的に6年) | 経過年数によって決まる |
| 残存価値 | 新車価額の10%程度 | 車種や状態によって異なる |
| 減価償却費の総額 | 取得価額と残存価値の差額 | 取得価額が安い方が大きい可能性が高い |
車の減価償却における注意点
車の減価償却費を計上する際には、以下の点に注意する必要があります。
1. 減価償却費の計上時期
減価償却費は、車両を購入した事業年度の最初の月に計上する必要があります。例えば、3月決算の会社が12月に車を購入した場合、減価償却費は翌年度の4月から計上することになります。
2. 減価償却方法の選択
減価償却費の計算方法には、定額法と定率法の2種類があります。
・定額法:毎年一定額の減価償却費を計上する方法
・定率法:初期の償却額がより大きくなるような方法
どちらの方法を選択するかは、事業者の状況や目的に合わせて決める必要があります。
3. 中古車を取得する場合の注意点
中古車を取得する場合、経過年数によって法定耐用年数が決まるため、注意が必要です。具体的には、以下の通りです。
・経過年数が46ヶ月未満の場合:耐用年数は6年
・経過年数が46ヶ月以上54ヶ月未満の場合:耐用年数は5年
・経過年数が54ヶ月以上62ヶ月未満の場合:耐用年数は4年
・経過年数が62ヶ月以上70ヶ月未満の場合:耐用年数は3年
・経過年数が70ヶ月以上78ヶ月未満の場合:耐用年数は2年
・経過年数が78ヶ月以上の場合:耐用年数は1年
4. その他の注意点
・車両をリース購入した場合は、減価償却費ではなく、リース料を損金として計上する必要があります。
・車両をプライベートでも使用している場合は、その使用割合に応じて減価償却費を按分する必要があります。
・減価償却費は、税務上の手続きが必要となります。詳しくは、税理士に相談することをおすすめします。
まとめ
本記事では、車の減価償却費について、新車と中古車の違い、計算方法、注意点などについて解説しました。
車の減価償却費は、新車と中古車によって計算方法が異なります。
新車の場合は法定耐用年数が定められているため、減価償却費の総額は同じになります。
一方、中古車の場合は経過年数によって法定耐用年数が決まるため、取得価額が安い中古車の方が、減価償却費の総額が大きくなる可能性が高いです。
車を購入する際には、新車と中古車の減価償却費の違いを理解した上で、自分に合った車を選ぶことが重要です。
また、減価償却費を計上する際には、上記で説明した注意点に留意する必要があります。
車を購入する際の参考にしていただければ幸いです。

