
賃貸VS持ち家_会計の視点から考える
実は、友人の間ではマンション好きとして知られているため、最近よく「家を買った方がいいか、賃貸のままがいいか」という相談を受けます。
この「買うか借りるか」は、資本主義の世の中、永遠のテーマです。
特に令和の時代は、インフレ、住宅価格の高騰、超低金利、住宅ローン減税など、判断をさらに複雑にする要素が盛りだくさんです。だからこそ、今回はちょっと会計の視点から、このテーマを考えてみました。
■ 分譲の魅力:資産を持つという感覚
まず「買う」場合。大きな魅力のひとつが「住宅ローン減税」です。年末のローン残高の0.7%が13年間も所得税などから控除される制度で、しかも変動金利なら0.3〜0.8%台。これは、会計的に見ても“借り得”な状態です。
さらにインフレ局面では、物の価値が上がるので不動産価格が上がりやすく、借金の実質負担は目減りしていきます。つまり、住宅ローンで家を買うこと自体が「資本家の仲間入り」に見えることもあり、実際直近10年間でいえば、この見方は正しい気がします。
■ 会計の視点:住宅はバランスシートに載る
ここで会計の視点を入れてみます。持ち家を買うと、自分のバランスシート(貸借対照表)には「資産(家)」と「負債(ローン)」が載ります。これは企業が設備投資をするときと同じ構造です。資産価値が上がればいいですが、逆に下がると“減損”のリスクもあります。
家を買うというのは、資産形成のチャンスである一方、長期的なリスクも抱える「レバレッジ型の投資」でもあるのです。
■ 減価償却という考え方も
また、会計では建物は「減価償却資産」として少しずつ価値が減っていく扱いになります。ただ、住宅であれば減価償却を損金扱いできないため、税務メリットはありません。
■ 賃貸の強み:フットワークと安心感
一方で「借りる」場合はどうでしょうか。毎月の家賃で完結するシンプルな構造で、固定資産税も修繕費も不要。何かあればすぐに引っ越せるという身軽さも魅力です。
これは企業でいえば「リース」に近い考え方で、将来の変化に柔軟に対応しやすい、という意味で経営的にも“可変コスト型”の強さがあります。
■ 会計的な見方:将来キャッシュフローが読める
購入には初期費用(登記費用、手数料、火災保険など)や定期的な支出(税金、管理費)がかかりますが、賃貸ではそういったものが家賃にパッケージ化されていて、キャッシュフローの見通しが立てやすいのが特徴です。
■ どちらが正解?目的と前提で変わる選択肢
どちらが良いかは、正直「人による」と思っています。会計的に整理すると、以下のようなイメージです。
- ライフスタイルが変わりやすい → 賃貸
- 初期費用を抑えたい → 賃貸
- 長期的な資産形成を目指したい → 分譲
- キャッシュフローを安定させたい → 賃貸
- ローン減税などの税制メリットを活用したい → 分譲
- 将来売却の可能性を考えるなら → 賃貸の方が柔軟
よく「家賃はもったいない」と言われますが、それは“買った家が資産として価値を保つ”ことが前提になっています。
たとえば、転勤の可能性が高い方や、借金に抵抗がある方、住宅価格がすでに高騰しているエリアにお住まいの方などは、あえて賃貸を選ぶのも、立派な戦略だと思います。
■ まとめ:感情ではなく、数字と自分の生き方で選ぶ
住宅は「住む場所」であると同時に、「投資」や「経営判断」にも近い選択肢です。数字やリスク、将来のライフプランを冷静に見つめたうえで、「自分にとってちょうどいい暮らし方」を考えるのが、この時代に合った選び方だと私は思います。
市川 Team
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