中古資産を新たに取得した場合の耐用年数の取り扱い
昨今、物価も上昇していますので会社での資産の購入も中古が増えているのではないでしょうか。そのため今回は中古資産を新たに取得した場合の耐用年数の取り扱いについてご紹介させていただきます。 中古資産を取得して事業の用に供した場合には、その資産の耐用年数は、法定耐用年数ではなく、その事業の用に供した時以後の使用可能期間として見積もられる年数によることができます。そのため使用可能期間が見積もることができるならば、その期間が耐用年数となります。ただその見積もりが困難な場合も多いかと思いますので、その時は以下の簡便法により算定します。 簡便法による耐用年数の算定方法は次の通りです。
- 資本的支出≦中古資産の取得価額×50%の場合
- 法定耐用年数の全部を経過
→法定耐用年数×20% - 法定耐用年数の一部を経過
→法定耐用年数ー経過期間+経過期間×20%
ただし、中古資産を取得し、かつ上述⑴の条件に該当しない相当額の資本的支出をした場合において、簡便法の適用は認められていません。
その場合の耐用年数の算定方法は次の2通りとなります。
- 法定耐用年数の全部を経過
- 資本的支出>中古資産の再取得価額×50%の場合
→法定耐用年数
注)⑵は使用可能期間として見積もられる年数の適用及び簡便法の適用は認められていません。
- 中古資産の取得価額×50%<資本的支出≦中古資産の再取得価額×50%の場合
→
当該中古資産の取得価額(資本的支出の価額を含む) 当該中古資産の取得価額(資本的支出の価額を含まない) + 当当該中古資産の資本的支出の額 当該中古資産につき(1)により算定した耐用年数 当該中古資産に係る法定耐用年数
例えば、中古の普通自動車(法定耐用年数6年、経過期間1年)を200万円で購入し、エンジンや電気制御部分の改良に250万円支出(全額資本的支出に該当)した場合において、使用可能期間が算定できないときは、当該自動車の再取得価額が500万円未満であれば、⑵に該当し、再取得価額が500万円以上の場合⑶に該当します。
⑵の場合、当該中古資産の耐用年数は6年となります。
⑶の場合、当該中古資産の耐用年数は以下の計算により5年となります。
450万円 200万円 + 250万円 (6-1+1×20%)=5年 6年
ちなみにですが当該中古資産の場合、資本的支出の額が100万円以下であれば⑴②に該当します。
⑴②の場合、当該中古資産の耐用年数は6-1+1×20%=5.2→5年となります。
次に、どの算定方法が用いるかですが、やや先述いたしましたが、当該中古資産の取得に伴い支出した資本的支出の額により異なります。
ここで、資本的支出と修繕費の違いですが、大まかに説明します。固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち、当該固定資産の価値を高めるため又はその耐久性を増すために支出したものについては資本的支出となります。対して、固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち、当該固定資産の通常の維持管理のため又は固定資産の原状回復のために支出したものについては修繕費となります。
つまり、中古資産の取得に伴い当該中古資産の改良や増強のために支出した場合には、その支出が中古資産の価額と比して多いほど、適用する耐用年数は法定耐用年数に近づきます。一方で中古資産の取得に伴い修理の支出が多く、改良などはあまり行っていない場合は、法定耐用年数の2割でよい場合もあるため適用する耐用年数が短くなります。そのため、新品でも中古でも取得価額が大差ない金額の資産を購入する場合には、耐用年数が短いほど減価償却費が多く計上できるため、法人税額は少なくなります。
以上、中古資産を新たに取得した場合の耐用年数の取り扱いについてでした。会計処理に迷ったら是非H2Rコンサルティングにご相談ください!
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