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アウトソーシングをお請けする中で、様々なことをヒヤリング等で確認します。[経理アウトソーサー的視点】では、勘定科目ごとの確認ポイントについて、記載してみたいと思います。第1回は現金編です。
※頭の中の整理として記載していますので、網羅的でなかったり偏っている点もあるかと思いますが、ご容赦ください。
企業における現金の利用状況についての所感
企業の中では、「現金」という勘定科目と「小口現金」という勘定科目がよくつかわれます。
「現金」は、売上入金やレジのおつり等、仕入支払に用いられる現金、「小口現金」は拠点における経費支払等のための現金を指すことが一般的です(小切手や郵便為替証書等も現金に含まれますが、このコラムの中では割愛します)。
「現金」は実店舗を運営しているなど、現金取引が欠かせない会社で持ちます。また慣行として給与を現金払いする業種などでは、給与・立替経費支払のためにも「現金」を持つケースがあります。そして「小口現金」は多くの会社で経費の支払のために利用されています。
しかし、多くの会社では現金を扱うことは極力避ける方向にあります。
「現金」は必要最小限にとどめるべく、普通預金への預け入れを頻繁に行うのが一般的ですし、上場会社など大きな会社になればなるほど、「小口現金」を利用する会社は少なくなります。
現金の出し入れ及び保管は、不正や修正、紛失・盗難等のリスクがあるため、統制的な観点で避けられがちなのです。
余談ではありますが、弊社では、お客様とのお互いのリスク管理の観点から、「現金」「小口現金」の入出金管理を業務範囲から除外させていただいております。
現金の運用方法におけるPoint
さて、とは言え多くの企業で現金は利用されています。適正に現金が運用されているかに関しては下記3つのPointで運用方法を確認します。
1、現金出納帳をきちんと作成していること
現金取引に関しては、現金出納帳の作成が必須です。
会社によっては直接会計システムに打ち込み、現金出納帳として利用しているケースもありますが、会計知識がある人でないと処理を誤るリスクがありますし、会計システムのIDを徒に増やすことにもなりかねないので、あまりお勧めしていません。
手書きでお小遣い帳的につけていらっしゃる会社もありますが、計算誤りが生じる可能性やその後の会計システムへの転記の手間も増えます。現金出納帳用のソフトも販売されていますが、簡単にExcel等の表計算ソフトを用いて出納帳をつけることでも十分に足りますので、作成されていない会社には最低限の情報が反映されるようフォーマットをお伝えして作成いただいています。
2、金種表を作成して現金出納帳残高との整合性を確認していること
現金を保有している場合、定期的に実査することが必要です。実査の頻度は原則日次または入出金があった日、最低限月末日には行うことが望まれます。
実査は金種表にて金種ごとにカウントして記録し、実査担当者と別の検査者がチェックする形とし、現金出納帳の残高と整合していなければ、原因確認し、合わなければ現金過不足として現金出納帳に認識することになります。
現金過不足が多いのは勿論問題なのですが、現金過不足を現金管理担当者が穴埋めしているケースもあるので、現場とのコミュニケーションが必要です。
3、「小口現金」の残高を適正な範囲に管理していること
現金は必要最低限に抑えるのが基本ですので、経費支払のために「小口現金」を持つ場合も、金額をコントロールすることが肝要です。一般的には、小口現金の枠を上限で決める「定額資金前渡制度」と、必要に応じて小まめに補給する「随時補給制度」があります。
教科書的には、「定額資金前渡制度」は現金リスクの上限がコントロールできるため原則とされますが、経験則では、「随時補給制度」を採用している企業が多いように思います。小口現金の使用金額に対して残高が多くなりすぎている場合には注意喚起することが必要です。
ここまで、ざっと現金に関してお伝えしました。
より具体的なことをお聞きになりたい場合は、こちらからお気軽にコンタクトください。